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外国為替市場: GMT0715にパウエルFRB議長の発言を控え、本日の米ドルインデックスには殆ど動きが見られませんでした。昨日には、ユーロ圏経済指標の低調な結果により、米ドルインデックスの対主要通貨での比重が最も多いユーロが下落した為、米ドルインデックスは5か月ぶり高水準まで上昇しました。
株式市場: 昨日の米株式市場は上昇して引けました。ナスダック指数は0.77%、ダウ工業株30種は0.39%、S&P総合500種は0.35%上昇しました。昨日、トランプ大統領がツイッター上で、本日のGMT1800にイランとの核合意判断を公表すると述べた後、米株価は前半の上層幅の一部を失ったことは注目に値するでしょう。現在、米主要株価先物指数は上昇して推移していますが、上昇幅は僅かとなっています。
アジア株式市場に関しては、概ね値上がりしました。日経平均株価は0.18%、トピックスは0.37%上昇しました。香港株式市場は、1.28%上昇しました。
欧州株式市場に関しては、主要株価先物指数が下落して推移していることから、本日は下落してのオープンを示しています。
コモディティ: 原油価格は最近の高値から若干値下がりしました。GMT1800にトランプ大統領による核合意判断の発表を控え、WTI原油先物とブレント原油先物はそれぞれ0.8%と0.7%下落しました。原油価格は、トランプ大統領の発表内容に影響されるでしょう。米国が核合意を離脱した場合には原油価格は上昇し、維持した場合には原油価格は下落するでしょう。市場は離脱に備えつつあり、原油価格を取り巻くリスクは不安定となる可能性があります。維持が表明された場合、市場にとってはサプライズとなり、離脱よりも大きな反応が出る可能性があります。
本日のゴールド価格は下落しましたが、下げ幅は0.1%未満となりました。核合意判断の発表は中東情勢に影響する為、ゴールド価格にも影響するでしょう。
主要な動き: 核合意判断控え原油価格若干下落、ユーロ安継続
昨日の米ドルは上昇を継続し、5か月ぶり高値まで値を切り上げた後、若干値下がりしました。ユーロ圏経済指標の脆弱な結果を受けて、ユーロ/ドルは急落し、一時1.1900ドルを割り込みました。ユーロ圏5月Sentix投資家信頼感指数の予想を下回る結果は、ECBの前回の政策会合で示唆されたように、ユーロ圏経済失速を浮き彫りにしました。ユーロ/円とユーロ/ポンドも下落しました。
本日、市場の最大の関心は、GMT1800のトランプ大統領による核合意判断発表に向けられるでしょう。核合意では、イランへの制裁緩和と引き換えに、イランは核研究の制限に合意しています。本日、米国が核合意離脱を表明すると、イランへの制裁再開に繋がるでしょう。イランへの制裁再開は市場の原油供給に大きく低下させる為、最近の原油価格は急騰しています。
米国の核合意離脱の場合には、原油価格の上昇が予想されます。しかしながら、原油価格は既に高値で取引されていることから、制裁再開は既に織り込み済みとなっていることに注意する必要があります。したがって、離脱表明は原油価格を若干上昇させますが、維持が表明された場合はサプライズとなり、原油価格の下落圧力が大きくなる可能性があります。例えば、米国がイランに新たな機会を提供した場合、効力のない制裁内容であった場合、或いは前回よりも緩和された制裁内容であった場合、既に「噂で買われている」ことから、「事実で売る」反応が見られても不思議ではないでしょう。
核合意判断は、原油価格だけでなく、市場全体に影響するでしょう。特にリスク逃避先資産への影響も見られるでしょう。イランへの制裁再開の場合は、イランが核プログラムを再開する可能性があり、中東情勢の地政学リスクが上昇します、そのため、ゴールドや円等のリスク逃避先資産の需要が増加するでしょう。
本日これからの市場: 米JOLTS求職、カナダ住宅着工件数発表、米政権のイラン核合意判断に注目
GMT0730には、英4月ハリファックス住宅価格指数が発表されます。昨年8月以来の最高水準となった前回結果の前月比1.5%増に対して、前月比0.2%増が予想されています。
GMT1215には、カナダ4月住宅着工件数が発表されます。GMT1400には、米3月JOLTS求職が発表され、前月結果より5万件増加した610万人が予想されています。
原油価格が2014年後半以来の最高値で推移する中、GMT2030に米石油協会が米原油在庫を発表します。市場にとってより重要なのは、トランプ大統領によるイラン核合意判断、及びイランへの経済制裁再開になるでしょう。昨日、トランプ大統領はツイッター上で本日のGMT1800以降にイランの核合意への判断を発表する意向を述べました。
株式市場に関しては、本日に四半期決算を発表する米企業にはウォルトディズニーが含まれます。米企業の四半期決算報告に加え、トランプ政権による核合意判断も米株式市場を動かす要因となるでしょう。
パウエルFRB議長は、スイス国立銀行とIMFが主催する「金融政策の影響」と題されたパネルディスカッションに参加予定です。本パネルディスカッションは、GMT0715から開始されます。
米政治に関しては、インディアナ州、ノースカロライナ州、オハイオ州、及びウエストヴァージニア州での予備選挙結果が今夜までに明らかになります。
テクニカル分析: USDJPYは短期的弱気相場から保ち合い相場の兆し
USDJPY は昨日に5日ぶり高値109.34円まで上昇後、若干下落しました。転換線と基準線が下落して推移し、短期的弱気相場が示されています。しかしながら、転換線と基準線が平坦化しつつあることから、弱気相場から保ち合い相場への兆しが見られます。
米国の核合意判断で地政学リスクが上昇した場合、資金がリスク逃避先資産の円に流れるため、USDJPYは下落するでしょう。一目均衡表の雲の下限と100日平均線上の108.57円が、サポートゾーンとして機能するでしょう。この付近には、前回の安値108.64円も含まれます。一段と下落した場合には、108円が視野に入るでしょう。
原油価格が上昇し、地政学不透明感が緩和した場合、USDJPYは上昇するでしょう。直近のレジスタンスゾーンは、転換線上の109.07円付近(109円も含む)になるでしょう。一段と上昇した場合、50日MA上の109.30円が視野に入るでしょう。この付近には、昨日の高値109.34円、基準線上の109.33円、及び一目均衡表の雲の上限109.46円も控えています。
本日後半に発表される米経済指標結果もUSDJPYの値動きに影響するでしょう。