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外国為替市場: 昨日に、FOMC政策発表を受けて、本年度の最高水準まで上昇した米ドルインデックスは、本日には殆ど動きがありませんでした。
株式市場: FOMC政策発表後、昨日の米株式市場は下落して引けました。FOMC政策発表後の米株式市場は上昇したものの、その後下落に転じ、終値は下落しました。S&P総合500種とダウ工業株30種は共に0.72%下落し、ナスダック指数は0.42%下落しました。現在、米主要株価先物指数は上昇して推移しているものの、上昇幅は限定的です。
アジア株式市場に関しては、祝日により、日本市場は閉場となっています。香港株式市場は1.4%上昇しました。
欧州市場に関しては、主要株価先物指数が下落して推移していることから、本日は下落してのオープンが予想されます。
コモディティ: 本日の原油価格は若干下落しました。WTI原油先物とブレント原油先物は共に下落したものの、下げ幅は0.1%未満でした。昨日発表された米原油在庫の予想外の増加による原油価格への影響は限定的でした。もう一つの興味深い点は、最近の米ドル高にも関わらず、原油価格が高値を維持していることです。通常、米ドル高は原油安の要因になります。これらへの明確な結論は、イランへの経済制裁再発動の可能性が、米原油生産増加の兆しと米ドルの回復による下落圧力を阻止している模様です。
本日のゴールド価格は0.4%上昇し、直近では1オンス1308ドル付近で取引されています。昨日のFOMC政策発表後のゴールド価格は、一時急騰した後、すぐに下落して上昇幅を解消し、荒い値動きとなりました。全体的に、ゴールドは米ドルとは反対の動きをしました。
主要な動き: FOMC後の米ドルは下落するも、2018年の最高値まで素早く回復
市場で広く予想されたように、FRBは政策金利の据え置きを発表しました。声明文では、注視すべき変更点が3つありました。まず、前回の声明文に記載された経済見通しが強まったという文言が削除されたことです。次に、2%のインフレ目標について述べる際に、「対称的な」という言葉が使用されたことです。インフレが2%を下回る状況が長く継続した為、利上げを実施しないでインフレが2%を上回る状況をしばらくの間は継続させる可能性を示唆していると市場では解釈されました。これにより、米ドルが急落しました。
しかしながら、声明文のタカ派的見解が市場で消化されたことにより、数時間後には米ドルは上昇に転じ、米ドルは下落幅を全て回復し、一段と上昇しました。
3つ目の変更点は、前回の声明文で記載された「FOMCはインフレ進展を注視する」という文言が削除されたことです。これにより、FOMCがインフレ上昇への自信をより強め、下振れリスクが消失したことが示唆された模様です。米ドルインデックスは、本年度最高水準まで上昇しました。
総じて、FRBが米経済により慎重な姿勢を示す一方で、インフレ見通しにはより楽観的姿勢を示すようになったことが明らかになりました。米ドルに関しては、明日に発表される米雇用統計が注視されるでしょう。
最後に、貿易問題も米ドルの値動きに影響するでしょう。本日から、ムニューシン財務長官が貿易交渉の為に、中国を訪問します。そのため、貿易問題に再度市場の関心が集まるでしょう。
豪ドルとNZドルは対米ドルでの下落を2週間継続した後、本日はそれぞれ0.4%と0.35%上昇しました。
本日これからの市場: ユーロ圏CPI、英サービス業PMI、米貿易収支、及び米サービス業PMI発表
本日には、英4月サービス業PMIが発表され、上昇が予想されています。サービス業は英GDPの80%を占めるため、市場は注視するでしょう。今週発表された英製造業PMIは予想外に脆弱な結果となり、英建設業PMIは予想を上回る好調な結果となりました。
本日には、英地方選挙も実施され、市場の関心を集めるでしょう。メイ英首相率いる保守党は、議席数の減少が予想されています。予想以上の議席数を失った場合、メイ英首相のリーダーシップが再度問われることになり、EU離脱交渉をより複雑化し、ポンドの一段安に繋がるでしょう。EU離脱後の関税協定案についての議論が継続している為、EU離脱問題への不透明感も上昇しています。
GMT0900には、ユーロ圏4月消費者物価指数が発表され、前月結果と同じ前年比1.3%増が予想されています。ECBの目標に近づいているものの、2%を依然として下回っています。生鮮食品とエネルギーを除くコアのインフレにも注目が集まるでしょう。同時刻にはユーロ圏4月生産者物価指数も発表されます。
GMT1230には、米3月貿易収支が発表されます。貿易赤字が9年半ぶり高水準まで上昇した前月結果の後、今月は貿易赤字が減少する模様です。同時刻には、米第1四半期単位労働コスト、米第1四半期非農業部門労働生産性、及びカナダ3月貿易収支が発表されます。
GMT1400に発表される米3月製造業受注指数、及び米4月ISM非製造業PMIにも注目が集まるでしょう。米3月製造業受注指数は前月結果よりの上昇が予想され、一方の米4月ISM非製造業PMIは前月結果からの鈍化が予想されています。しかしながら、拡張範囲の50は十分に上回る模様です。
GMT1200とGMT1230には、ECBのコンスタンシオ副総裁とクーレ専務理事の講演がそれぞれ控えています。
テクニカル分析: EURGBPは短期的強気相場、9週ぶり高値付近で推移
EURGBPは4月17日に約1年ぶり安値0.8620ポンドまで下落後、大きく上昇し、昨日には9週間ぶり高値0.8830ポンドまで値を切り上げました。転換線と基準線は上昇し、強気相場を示しています。しかしながら、転換線も基準線も平坦化しつつあることから、短期的に上昇勢いの失速の兆しとなっている可能性があります。
本日発表されるユーロ圏消費者物価指数が予想を上回る結果となった場合、EURGBPは一段と上昇するでしょう。現在、EURGBPは100日平均線上の0.8808ポンドを若干上回って推移しているものの、0.8808ポンドがレジスタンスとして機能する可能性があります。(0.8808ポンド付近には、0.8817ポンドを上限とする一目均衡表の雲も含まれます。)一段と上昇した場合、昨日の高値0.8830ポンド付近がレジスタンスゾーンとなり、その上には0.89ポンドが控えています。
反対に、ユーロ圏消費者物価指数が予想を下回る結果となった場合、50日MA上の0.8781ポンド付近(一目均衡表の雲の下限0.8779ポンドを含む)がサポートゾーンとして機能するでしょう。一段と下落した場合、転換線上の0.8755ポンドと基準線上の0.8725ポンドが控えています。
英経済指標、及び英政治的要因もポンドの値動きに影響するでしょう。