マーケットプレビュー-米ドル高継続、ECB政策金利発表に注目

投稿日: 2018年4月26日19時04分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

外国為替市場: 米ドルインデックスは、国債利回り上昇を受けて上昇した昨日の米ドルインデックスは、本日には下落しました。しかしながら、下落幅は0.1%未満でした。本日にECB政策会合を控え、ユーロは比較的安定して推移しています。豪ドルとNZドルは下落基調を継続しました。

株式市場: ナスダック指数の0.05%の下落を除き、昨日の米株式市場の終値は上昇しました。米四半期決算の好調は結果が米国債利回り上昇への懸念を緩和させ、ダウ工業株30種とS&P総合500種はそれぞれ0.25%と0.18%上昇しました。ダウ工業株30種とS&P総合500種の先物指数は、本日は下落してのオープンを示しています。昨日の米株式市場閉場後に発表されたフェイスブックやツイッター等の四半期決算の好調な結果により、本日のナスダック指数先物は上昇して推移しています。

アジア株式市場は強弱混合の結果となり、日経平均株価とトピックスはそれぞれ0.47%と0.25%上昇しました。一方、香港株式市場は1.39%下落しました。

欧州市場に関しては、主要株価先物指数はほぼ上昇して推移しています。

コモディティ: 本日の原油価格は、昨日の上昇幅を拡大させました。WTI原油先物とブレント原油先物はそれぞれ0.35%と0.45%上昇し、共に3年半ぶり高値付近で推移しています。昨日、マクロン仏大統領が米国がイランとの核合意から離脱する可能性に懸念を示した後、米国によるイランへの新たな経済制裁の観測が大きく上昇し、原油価格を押し上げました。原油在庫の予想外の増加も、原油価格を下落させることはできませんでした。

米ドル回復により昨日に下落したゴールド価格は、本日には若干上昇しました。米ドル高に加え、利上げ観測上昇もゴールド価格下落の要因となっています。

主要な動き: 米国債利回り上昇で米ドル高継続、豪ドル安とNZドル安継続

本日もニュースにおいては比較的静かな一日となり、外国為替市場を動かす主要な要因は、引き続き米長期国債利回り上昇になるでしょう。米10年債利回りは3.035%まで上昇し、その後若干下落しました。利回り上昇により、米ドルは対主要通貨で急騰しました。ユーロ/ドルは2か月ぶり安値まで急落し、ドル/円は3か月ぶり高値まで上昇しました。

今後、米国債利回り上昇がどれくらい継続するかが注目されるでしょう。今週前半に、米10年債利回りが3.0%台を大幅に上回ったことにより、今後一段と上昇する可能性があります。上昇トレンドが明確に現れていることから、今後数日間は米国債利回りの上昇は継続する模様で、米ドル高も継続するでしょう。

しかしながら、米国債利回り上昇は株式市場の下落要因となります。ここ数日間の米株式市場は下落を継続しています。借入コスト上昇により自社株の買い戻しが妨げられ、債務を支払うコスト上昇が収益の削減に繋がっている米企業の現実が浮き彫りとなったことも、株価下落に繋がりました。

昨日の豪ドルとNZドルは対米ドルでの下落を継続し、共に4か月ぶり安値まで急落しました。豪ドル/ドルは5日連続の下落を継続し、NZドル/ドルは8日連続の下落を継続しています。

本日これからの市場: ECB政策会合に注目、米耐久財受注に注目

本日には二日間の工程で開催されているECB政策会合が終了します。政策変更は予測されていないものの、フォワードガイダンスはユーロペアを動かす要因となるでしょう。

GMT1145には、ECBの金融政策が発表されます。政策金利の据え置きが広く予想されています。しかしながら、年内の資産買い入れ終了が示唆されるか、或いは最近の経済指標結果で浮き彫りとなった景気減速とインフレ上昇圧力の失速の兆しにより、より慎重な見解が示されるかが注目されるでしょう。後者となった場合、ユーロ下落が加速し、対米ドルで最安値を更新する可能性があります。GMT1230に控えるドラギECB総裁の記者会見も注視されるでしょう。

GMT1000には、英4月CBI流通業売上高が発表され、上昇が予想されています。

GMT1230には、米3月耐久財受注、及び米週次新規失業保険申請件数が発表されます。米耐久財受注は、前月結果よりも緩やかな上昇が予想されていますが、2か月連続で上昇する見込みです。輸送用機器を除く耐久財受注も注目されるでしょう。

本日に四半期決算を発表する米企業には、マイクロソフトやアマゾンも含まれます。両社の四半期決算は、米株式市場閉場後に発表されます。

テクニカル分析: EURUSDは再度約2か月ぶり安値、短期的弱気相場

EURUSDは4月17日に1か月ぶり高値1.2413ドルまで上昇後、大幅に下落しました。本日前半には、昨日に記録した約2か月ぶり安値1.2159ドルまで値を下げました。転換線が基準線を下回り、短期的弱気相場が示されています。RSIも中間線の50を下回り、弱気相場を表しています。しかしながら、下落勢いが失速しつつあることから、弱気相場緩和の兆しの可能性があります。

本日発表されるECB政策にタカ派的見解が見られた場合、EURUSDは上昇するでしょう。この場合、100日平均線上の1.2223ドル付近がレジスタンスとして機能するでしょう。この付近には、一目均衡表の雲の下限1.2242ドル、及び1.22ドルが控えています。一段と上昇した場合、1.23ドルが視野に入るでしょう。1.23ドル付近にも多数の重要なポイントが控えています。

反対に、ECBがハト派的見解を示した場合、EURUSDの下落圧力は強まるでしょう。直近のサポートゾーンは、3月1日に記録した3か月半ぶり安値1.2154ドル付近になるでしょう。一段と下落した場合、1.21ドル台が視野に入り、その下には1.20ドルが控えています。