マーケットプレビュー-英経済指標発表を控え、ポンド上昇

投稿日: 2018年4月17日19時09分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

外国為替市場: 米政府による米ドル安政策の観測が浮上する中、本日の米ドルは昨日の下げ幅を拡大させ、米ドルインデックスは0.1%低下しました。今後発表される英経済指標が5月利上げを支持する内容であるとの観測により、昨日のポンド/ドルは2016年ぶり高値を更新し、本日も0.15%上昇しました。

株式市場: シリアへの攻撃が長期化しないとの観測により、地政学リスクが後退し、昨日の米株式市場は下落して引けました。ダウ工業株30種は0.9%、S&P総合500種は0.8%、ナスダック指数は0.7%上昇しました。米主要株価先物指数が上昇してのオープンを示していることから、本日も株式市場の回復は継続する模様です。

アジア株式市場はほぼ下落しました。日経平均株価は大きな動きはなく、トピックスは0.36%下落しました。香港市場は、中国第1四半期GDPが予想を下回る結果となったことにより、0.37%下落しました。

欧州市場に関しては、主要株価先物指数が上昇して推移しています。

コモディティ: 本日の原油価格は上昇しました。WTI原油先物とブレント原油先物はそれぞれ0.6%と0.5%上昇しました。原油価格上昇の明確なファンダメンタルズ要因はなかったものの、イランへの新たな制裁による供給低下の可能性、及びベネズエラの大幅な原油生産低下への懸念が再度浮上したことが可能性として考えられます。本日、市場の関心は、米石油協会が発表する米原油在庫に向けられるでしょう。

ゴールド価格は0.1%上昇し、直近では1オンス1347ドル付近で推移していました。米リスクオンムードが回復する中、ドル安の流れにも関わらず、昨日のゴールド価格は下落しました。

主要な動き: ポンド高継続、米経済指標の強い結果にも関わらずドル高継続

昨日急騰したポンドは、本日も引き続き上昇を継続する模様です。ポンド/ドルは、2016年6月の国民投票前に記録した以来の高値を更新しました。ポンド上昇の明確なファンダメンタルズ要因は見られないものの、今週発表される英経済指標の強い結果を予測してのポンド買いが要因として考えられます。本日には英3月雇用統計、水曜日には英3月消費者物価指数、木曜日には英3月小売売上高が発表されます。現在の所、5月利上げの可能性は72%となっています。今週発表される英経済指標が強い結果となった場合、5月利上げ観測が上昇し、ポンドも上昇するでしょう。

昨日の米ドルは、米3月小売売上高の予想を上回る結果にも関わらず、下落しました。米ドル安の背景には、トランプ大統領のツイッター上での発言になります。米財務省は最近の為替報告でどの国も為替操作国に認定しなかったものの、昨日、トランプ大統領は、中国とロシアが自国通貨を切り下げていると非難しました。トランプ大統領の発言は、トランプ政権による米ドル安政策を後押しするものとして見なされました。その他のニュースでは、トランプ大統領が、リチャード・クラリダ氏をFRB副議長に指名しました。

昨日のリスクオンの流れにより上昇したカナダドルは、本日には対米ドルで殆ど動きを見せませんでした。

本日これからの市場:  英失業率、英平均所得、及び米住宅関連経済指標に注目

ポンドが対主要通貨で大幅に上昇している現況を考慮すると、市場の最大の関心は英経済指標に向けられるでしょう。

GMT0830には、英2月失業率、及び英2月平均所得が発表されます。ボーナスを含む2月平均所得は前年比2.8%増から3.0%増への上昇が予想されています。本指標と明日に発表される消費者物価指数が予想通りの結果となった場合、所得の伸びが再度ポジティブな範囲に突入し、5月利上げ観測を上昇させ、ポンド高の追い風になるでしょう。英2月失業率は、引き続き低水準の4.3%となる見込みです。

GMT1230には、米3月建設許可件数、米3月住宅着工件数、及びカナダ2月製造業出荷が発表されます。GMT1315には、米3月鉱工業生産、及び米3月設備稼働率が発表されます。

本日には、NZ世界乳製品取引価格指数が発表され、NZドルの値動きに影響する可能性があります。NZ世界乳製品取引価格指数の発表時刻は確定していませんが、GMT1200の発表が予想されています。

本日に四半期決算を発表する米企業には、ゴールドマンサックスとジョンソン・エンド・ジョンションが含まれます。

政策担当者の発言では、GMT1315にサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁、GMT1400にクオールズFRB理事、GMT1500にフィラデルフィア連銀のハーカー総裁の発言が予定されています。

政治に関しては、トランプ大統領と安倍首相の首脳会談では、北朝鮮と貿易問題について協議される模様で、首脳会談は明日も継続します。

テクニカル分析: GBPUSDは2016年6月ぶり高値更新、買われ過ぎの可能性

GBPUSD は4日連続の上昇を継続し、本日前半には英国民投票前の2016年6月以来の最高値1.4375ドルまで値を切り上げました。現在の所、GBPUSD は1.4375ドル付近で推移しています。遅行スパンが買われ過ぎ傾向を示しているものの、転換線と基準線はポジティブに推移し、短期的強気相場を示しています。

英経済指標が予想を上回る結果となった場合、GBPUSD は上昇し、1.44ドルと1.45ドル付近がレジスタンスゾーンになるでしょう。

反対に、英経済指標が低調な結果となった場合、心理的節目である1.43ドル付近がサポートゾーンになるでしょう。一段と下落した場合、1.4244ドル付近が視野に入るでしょう。